悩む人が多い体力面の限界
身体介護の負担
身体介護は介護の資格を有する介護職だけができる業務であり、無資格の介護職は担当できません。そのため、身体介護を担当する介護職は資格手当の支給対象となり、収入面がアップするという魅力があります。その一方で、身体介護を行うからこそ生じる悩みもあるのです。それは、身体介護特有の体力的負担です。
利用者を抱えたり支えたりする際には、かなりの力が必要となります。特に、体重の重い方や動作が不自由な方を移乗する際には、腰や背中に大きな負担がかかりやすいです。このような体力的な負担が原因で、腰痛や筋肉痛を訴える介護職も少なくありません。また、長時間の立ち仕事や、繰り返しの動作による関節の痛みもよく聞かれる問題です。そうした痛みや疲れは、仕事の質に影響を与えるだけでなく、介護職の健康にも重大な影響を及ぼす可能性があります。
夜勤による生活リズムの乱れ
生活リズムが乱れ、夜間に眠れなくなるという問題は、夜勤をする介護職にとって深刻な悩みの一つです。昼夜逆転の生活が続くことで体内時計が狂い、結果的に体力が低下してしまいます。このような状態が長期間続くと、身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも悪影響を与えることがあります。
特に介護職は、体力を使う仕事でありながら、精神的なストレスも大きくなりがちな職種です。そのため、夜勤による生活リズムの乱れが重なった場合、仕事のパフォーマンスにも影響が出ることは避けられません。夜間に十分な睡眠が取れないと、翌日の仕事中に集中力が低下したり、ミスが増えたりするリスクも高まります。また、慢性的な睡眠不足によって体力面に加えて免疫力も低下し、病気にかかりやすくなることも懸念されます。
それぞれの対処法
身体介護の負担による体力面の悩みを解消するためには、資格を取って体力を使わない仕事に変わる方法もあります。介護福祉士や社会福祉士などの資格を取得すれば、介護現場だけでなくデスクワークや相談業務に移行することも可能です。
次に、介護技術を身につけることも一つの方法です。正しい介護技術を身につけることで、体力を最低限に抑えつつ効率的にケアを行えるようになります。移乗や移動の技術を学ぶことで、利用者の体を安全に、かつ自分の体に負担をかけずにサポートできるようになるのです。さらに、介護ロボットを導入している職場を選ぶ方法もあります。介護ロボットは、利用者の移動や入浴、食事などさまざまな場面で体力の負担をカバーしてくれます。
夜勤による体力面の悩みを解消するためには、夜勤の後の過ごし方に気をつけることが大切です。夜勤明けには長時間の睡眠を取らず、仮眠程度に留めます。夜にしっかりと睡眠を取ることで、体内時計の崩れを防ぎ、疲労の蓄積を軽減できます。仮眠を取る際は2時間程度が理想です。これ以上長く寝てしまうと、逆にリズムが乱れることがあります。
また、食事や運動にも気を配りましょう。夜勤中に適切なタイミングで軽食を摂ることで、エネルギーを補給できます。カフェインの摂取は控えめにし、消化に良い食事を選ぶことが望ましいです。これらの対策を行っても体力面の悩みが解消されない場合、根本的な解決策として夜勤のない仕事に転職することも選択肢の一つです。転職にはリスクも伴いますが、長期的な健康を考えるとそのリスクを取る価値がある場合もあります。
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一度自分を見つめ直すもし現在の職場環境に大きな不満や悩みを抱えているのであれば、自分がどういった点に不満や悩みを抱えているのか分析しましょう。人間は冷静に自分の悩みのポイントを分析するだけでも気持ちが整理され悩みが解決することがありますし、解決のための行動に移る際にも分析が役に立ちます。